雨はいつか上がるから

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雨はいつか上がるから

 こうして雨が降るたびに私はあの頃の事を思い出す。  今私の隣にいる彼との素敵な雨にまつわる私達の思い出。  また今年もそんな梅雨の時期がやってきた。  バス停に並ぶ私たち。  彼のあの言葉を思い浮かべてる。  バスを待つあいだ私は、今日も雨だしなんかいい事があるかな、なんて思うようになった。  だって彼がものは考えようだって教えてくれたから。彼に出会って私は少しだけポジティブになった。 「今日もきっといいことあるね。 だって俺は雨男だし、君は雨女だから。 むこうの空が明るくなってきたし。 もう、雨は上がるんじゃないかな…。」  彼が笑顔でいつもみたいにそう呟く。  私は雨が上がるたびに、あの日の懐かしいあの言葉を言ってくれた時の彼の事を思い出す。 『雨はいつか上がるよ…。』  まもなくバスが来て仲良く二人掛けの椅子に並んで腰かけ、窓の外に目を向ける。  こうして今日も仲良くバスに乗り、私たちは同じ大学に向かう。
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