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晴れた日の楽しみ
せっかく楽しみにしてたオープンキャンパス、自転車でカッパにするか。それとも時間に余裕を見て早めに家を出るバスにするか。
しかも向こうについてからキャンパスツアーがあってキャンパス内を見学できるのに、この雨じゃな。
傘をさしてキャンパス内を見て廻るとかって、もう最悪。
それに…。
晴れたら駅まで自転車で行けば、またあの人に会えたかもしれないのに…。
雨だとそれは期待できない。
いつも学校に向かう時は自転車で大きなリュックを背負っていく。
だから雨の日は制服の上からリュックを背負ってカッパを着る。
背中は盛り上がって嫌だし、背中のリュックに当たるところが汗だくになって暑くてしょうがないし、蒸れるから気持ち悪い。おまけにフードを被ると髪の毛がぺしゃんこになる。
だから雨は嫌なんだ…。
朝の7時半。
いつも決まってこの時間に家を出ると、だいたい信号のところであの人に会う。コンビニで買い物をしてる時もあるしそのまま颯爽と走り抜ける日もある。前を走ってることもあるし後ろから追い抜くこともある。
あ。今日も見れた…。なんて。
信号で先に信号待ちをしてる彼の後ろ姿が見えてくるだけでいい日に思えるしドキドキしてくる。彼を見れた晴れの日は私のいい日になる。
毛先の襟足が外側に跳ねてふわふわと風に揺れるその髪の毛は少し色素の抜けたブラウン。ガッチリした肩から延びる日焼けした腕が半袖の裾から見えるだけでキュンとなる。
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