晴れた日の楽しみ

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 サドルから延びてる長い足を地面に放り出し、もう片方の折れ曲がった膝が窮屈そうにペダルの上で外を向いてる。  いつもおしゃれな服を着て、毎日どこに行くんだろう。  年は少し上だと思うけど、そんなに離れていない気がする。制服じゃないから高校生ではないみたいだ。  毎朝そんな素敵な彼の姿を見ながらわたしは学校を目指し駅まで自転車で向かう。  何度か彼を駅でも見かけたし、同じタイミングで駐輪場に入ったこともあった。  このあいだコンビニで偶然一緒になった時はドキドキしすぎて息をするのも忘れたくらい。  話したことは無いけれど。  時々、目が合う…。  気がするけど、それは多分気のせいかな。  雨の日はそんな彼にも会えないし。  だから最悪…。  そんなささやかな楽しみが雨の日は無くなるのが残念で仕方ない。  あー。今日は自転車の彼のあの素敵な姿が見れないや。  カッパを着てると誰だかわからないし。そもそも雨の日にあの彼を見かけたことがない。  雨の日はどうしてるんだろう、なんて余計な心配したりして。  オープンキャンパスの日もやっぱり雨の予想。朝から雨マークだ。  仕方ない。バスで行くか。  少し早めに家を出よう。  何せわたしは雨女だから仕方ない。  生まれた時から雨女だったって母さんが言ってたもん。生まれた日も雨だったし、そういえば七五三も雨だったって笑ってた。  傘をさしてとぼとぼとバス停に向かった。
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