9人が本棚に入れています
本棚に追加
最初に出てきたのは、島の中央に建っているカミサマの館に住んでいるおじさんだった。やっぱりカミサマが来たのね。
次々と人が降りてきた。遠目で分かりづらいが歳上の男の子に見えた。
ぞろぞろと並んで出てくるカミサマたち。何人いるのだろうか。
数え始めたが、100人を超えたあたりで誰を数えたのか分からなくなって諦めた。
カミサマはどこが人間とは違うのだろうか。
よく観察してみようとさらに顔を出した時だった。
最後尾にいたカミサマと、目が合った。
耳にかかりそうな長さのサラサラとした黒髪で、身長は私より高そうだった。
慌てて顔を岩の後ろに引っ込めた。激しい心臓の音が聞こえる。悪いことをしているのを見られた気分だ。いや、カミサマには本来近づいてはならないから、目が合った時点で悪いことなのかもしれない。
一気に上がった息を整える。
一瞬だったし、偶然こちらに顔を向けたのを勘違いしただけかも。そう考え、また目だけを出してのぞいた。
カミサマはまだこちらを見ていた。ヒラヒラと親しげにその手が振られる。
心臓がドキンと跳ねた。手を振り返す勇気はなく、急いでその場を離れた。
家に帰り、ベッドに飛び込んで足をバタバタと動かす。その日はなかなか眠れなかった。
最初のコメントを投稿しよう!