幸せ

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「ロザリア!!」 レアンと共に家に帰るとリアが 勢いよくロザリアを抱きしめた。 ごめんね、ごめんねと謝り続けるリアに ロザリアはこんなにも自分を必要としてくれてる人がいるのだと実感し、目頭が熱くなった。 「ねぇ、私 幸せになってもいいの?」 泣きながら聞くとリアとレアンは 当たり前だと同時に言った。 嬉しくてまた涙が溢れた。 その夜、ロザリアとレアンが星空を眺めていると レアンが口を開いた。 「俺、ロザリアが好きだよ。 ロザリア言ったよな。幸せになってもいいのかって。 ロザリアがどこの誰で不吉の象徴だって どーでもいい。ただ、 俺のそばにいて俺を幸せにしてくれよ」 レアンの言葉にまた涙腺が緩む。 「もう、泣かせないでよレアン」 幸せすぎて過去のことなど どうでもよくなってしまう。 ロザリアはこくりと頷いた。 私を産んでくれたお母様、ありがとう。 私を想ってくれたお父様、ありがとう。 私の親になってくれたお母さん、ありがとう。 そして、私の大切な人になってくれたレアン、 ありがとう。 ロザリアの傍らにはいつか見た黒薔薇が咲いていた。 終わり
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