Woman

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「ちゃんと酔いを覚まして下さいよ。あ、あと…夜は冷えるかもしれないんで、風邪ひかないように。」 そう言って運転席を降りようとする工藤。 「え!?工藤君の家って…ここから近いの?」 「あー、歩いて10分も掛からないです。」 「そうなんだ…。」 「念の為、ロックして寝てください。危ないですから。」 そう言って運転席を降りて、助手席の香織のドアを開けた。 「どうしたの?」 「空き缶…それゴミでしょ?捨てときますから。」 助手席の足元にあった空き缶と持っていた空き缶…どちらも持ってドアを閉めた。 コインパーキングの精算機の操作をして、近くにあった自販機のゴミ箱にビールの空き缶を捨て、何かを買っている工藤。 また、香織の助手席に戻ってきた。 「このレシートをダッシュボードに置いておきます。それと、これ。」 手渡されたのは、ミネラルウォーター。 「酒飲んだ後は、脱水状態になりますから、ちゃんと飲んで下さいよ。」 そう言ってドア閉めた。 香織は言われた通り、車のロックをして助手席のシートを倒して横になった。 「…あ〜一気に疲れてきた…。」 突然、助手席の窓を叩く音。工藤だった。助手席のロックを解除してドアを開けた。 「どうしたの?」 「すみません。自分の買い物袋…忘れたんです(笑)」 「え、あぁ、どこ?これ?」 「はい。それですね。いや、こういうところがダメなんですよねぇ(笑)」 自分と同じ事を言う工藤に笑った。 「ほら、笑った顔の方が可愛い。」 工藤のその言葉で香織は工藤の顔を両手で掴んで自分の顔に近づけた。 「笑わせてよ。もっと。」 酔ってなどいない。工藤とキスをした。 工藤も香織を抱いた。しばらく続いたキスの後に工藤が言った。 「うち…狭いけど…来ますか?」 「…うん。良いの?」 「ここで女性が1人で寝るよりはマシでしょ?」 香織は倒していた座席を戻し、車を降りた。 降りた途端に…今度は工藤から抱き締められキスをされた。 キスの後、工藤は香織の手を握り自宅へと向かった。 「ここから道が狭くなりますから…。」 そう言うと香織の腰に手を回し、引き寄せた。 「…私、ダメな妻だから…。」 「ダメな妻がダメな事してる(笑)」 工藤の言葉に笑った。 「…でも本当にダメなんだったら、こんな大胆な事しませんよね?」 「…大胆?」 「えぇ。さっきのコインパーキングの防犯カメラにバッチリ撮られてますから(笑)」 そんな言葉にさえ、笑えた。
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