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「!!!」
ならば、もっとナイフを譲ってもいい。
道原の分もあるので、二本のナイフを渡すと、乗組員が集まってきたので、他の小型ナイフを渡しておいた。
「俺達も貰ってしまっていいのですか!」
「小型だけどな。コレ、便利だ」
主に投げる為に作成していたナイフなので、とても安価だ。しかし、リンゴの皮なら剥ける。
「まず、このナイフ。投げる」
「おおおおお!!!!!」
俺が的を用意して投げて見せると、命中したので驚かせてしまった。
「リンゴの、皮も剥ける」
「おおおおおおおおおおおおお!!!!」
どうして、リンゴの皮を剥いた方が驚かれるのだろう。
そして、リンゴでウサギを作ると、奪い合って食べていた。もしかして、リンゴが貴重だったのだろおうか。
「白の方からの、祝いだ!!!」
「祝い???何だ、それは?????」
祝いというのは何だろう。
「これは、ウサギの形か!!!とても、可愛い!」
「食に困らないという事か???」
「ウサギか!確か、ウサギも冬は白い!!!!凄い!!!!」
俺だって、リンゴでウサギくらいは作れる。
しかし、そんなに歓喜されると微妙な気分になる。
「夏目さん…………」
「俺は何もしていない!そんな、困ったような目で見るな!」
しかし、快く乗船させてくれた。
そして、酒樽を積み込んだ船が、リプロスの港、海都(マリントス)に向けて出港した。
「空都でスカイト、海都でマリントス。言葉が、入り混じっているな……」
夜の海は暗く、本当に黒く見えていた。しかし、今日は快晴だったので、沖に出ると満天の星空が見えた。
「恐らくですが、言葉を理解しているのは夢の中だからで、実際に使用していた言葉は別に存在しているのでしょう」
道原は通訳なので、言葉の文化を研究している。そして、満原の解釈によると、この大陸地図というものも、意識の中なので、形が変わってしまっているという。
「ですが、俺達が行った、現在の城とリンクしています。俺達が知っている場所は、意識では変えられないのでしょう」
「空都の事か?そうだな、記憶にかなり類似していた」
そして、重要な事を言い忘れていた。
俺は、船の先端に行くと前方を確認し、更に左右の状況を確認した。
「道原、俺は泳ぎが得意ではない」
「!!え????」
全く泳げないという訳ではないが、期待できない残念な状態だ。
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