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透き通るような白い肌とくっきりとした切れ長の眼差しに、優しい微笑みが宿っている。まるで少女のようだ。女性であったならばさぞや美しい姫君であっただろう。そう思うと我知らず頬が赤らむ思いがする。宿直所が薄暗がりでよかった。
私が少将殿に女性の姿をつい重ねてしまうのは、少将殿に妹君がいらっしゃるからだ。上流貴族の姫君は決して人前に姿を現さない。家族以外のものは、風聞によって姫君の容姿を推測するだけだ。推測の材料の一つになるのが姫君の男兄弟である。見目麗しい弟がいれば早々に童として宮中に参上させる。
そうすると貴公子たちから声をかけられる。
「お前は、姉上とよく似ているのかい」
「はい、瓜二つであるとよく言われます」
そのように受け答えせよと仕込まれている。情報戦、というやつだ。
少将殿の端麗な中にも可憐さの宿る容貌は、宮中の男たちの姫への夢想をかき立ててやまなかった。
しかし・・・
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