香水

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「眠い。」 俺も俺だ。 晶を待たずに寝ればいいのに、律儀にリビングのソファーで待っているなんて。 もう何年、晶に片想いしているだろう。 高一の時に同じクラスになってからだから、かれこれ10年になろうとしている。 気づけば俺も25歳。 いい加減、この不毛な恋を終わらせたいのに、そんなことお構い無しに、毎週のように晶は俺の部屋に泊まりにくる。 もう、いい人はやめてやる。 こんな辛い想いを続けるくらいなら、晶に拒まれた方がいい。 そして、キッパリ振られよう。 もう二度と晶がこの部屋に来ることはないだろう。 今夜で俺の長すぎた片想いは最後だ。 俺は意を決して、立ち上がった。
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