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拒め、ばか。
俺はノックもせずに、風呂の扉を開けた。
「え!真斗!!びっくりした。」
俺は服が濡れることも気にせずに、晶に近付いた。
「真斗、濡れるよ?」
「どうでもいい。」
「どうした?」
「何が?」
「真斗、いつもと違う。」
「これが俺だよ。」
そういうと、俺は晶を壁に追い詰めた。
「毎週、俺の所に来やがって。他の男の匂い付けてくんなよ。ムカつくんだよ。」
「真斗?」
「お前、何がしたい訳?俺を怒らせたいのか?」
晶は何も言わない。
それが余計に腹が立つ。
「なんか言えよ。」
俺は晶を壁際に追い込むと、無理やりキスをした。
「んん……////」
「拒めよ、ばか。」
「なんで?」
「晶のクズ。誰とでも寝やがって。」
「うん。あとは?」
「あとは......俺を解放してくれ。」
「それはできない。」
「どうして?」
「どうしてでしょう?」
「おい!真面目に答えろ。」
「離れたくないんだ。真斗と。」
晶は俺に抱きついた。
「俺の事、抱いていいよ。だから、俺から離れないで。」
「晶は好きでもない奴に抱かれたいのか?」
「真斗のことは好きだよ。」
「友達としてだろ?そんな奴と寝るなよ。」
俺はため息をついた。
「ごめん、言いすぎた。」
「ううん、真斗ってキス上手だね。」
「だから、そういうことを言うなって。」
「だって、俺以外ともキスしてるんだろうなぁって。嫉妬した。」
人の気も知らないで。
晶以外とするかよ。
「はいはい。逆上せる前に出るぞ。」
「その前に仲直りしよ。」
「もう怒ってないから。」
「ほんと?」
「ああ。」
「じゃあ、俺の髪乾かして。」
「仕方ないな。」
結局、俺は晶に弱い。
今夜も片想いを卒業できそうにない。
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