サプライズ

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サプライズ

「で、どこに行くんだ?」 「たまには歩いていかない?」 「だから、どこに?」 俺は再び、晶に問いかけた。 「いいから俺についてきて?」 「はぁ...」 そう自信満々にいう晶の後ろを、俺は黙ってついていった。 すると、数歩歩いた所で晶が振り返った。 「真斗、隣おいでよ。」 「なんだ?ひとりで歩くのが寂しいのか?」 「折角、久しぶりに出かけてるのに話せないだろ。」 「ったく、仕方ないな。」 結局、俺は真斗の言うことをきいてしまう。 高校の時からずっとそうだ。 「ね、真斗。今日が何の日か知ってる?」 「えっと...日曜日。」 「ははっ、やっぱりそう言うと思った。」 「なんかあるのか?」 「真斗って、格好いいのに抜けてるよね。」 「だから、早く教えろ。」 「さっきも、女の子たちが真斗のこと見てたし。」 「晶、聞いてる?」 「着いた。」 俺の声が聞こえてるのか、いないのか、晶は立ち止まった。 どうやら目的地に着いたようだ。 「ここって...」 「入ろ。」 晶は俺の手を取り、颯爽と歩き出した。
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