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彼と自分はみそ汁だけの関係のはずなのに……。
オミオツケさんは、自問を繰り返しながらも答えは出ず、映画の本編がスタートした。
映画が始まった途端、オミオツケさんは自問していたことをすっかりと忘れた。
そのくらい映画は面白かった。
文字の中だけであったキャラクターが命を持って動き出し、世界観を浮き彫りにしながら進んでいく。ストーリーも繊細で小説だけでは、見えてこなかった部分がはっきりと伝わり、臨場感が増していく。
その中には原作にはないオリジナルのエピソードも交えられているが決してストーリーを壊すことなく、新たな刺激となって見る側を楽しませてくれた。
オミオツケさんは、興奮し、汗ばんだ手を握りしめる。
その手がぎゅっと握りしめられる。
オミオツケさんは、驚いて現実の世界に引き戻される。
オミオツケさんの手の上に大きな手が被さっていた。
レンレンの手だ。
レンレンは、目を大きく輝かせて映画を見ている。
スクリーンの中でキャラたちが立ち回るたびに小さな声を上げ、オミオツケさんの手に置いた手に力を入れる。
恐らく無意識だ。
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