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それなのに彼は、一高校の小さな食堂で事情があって食べるものが制限されている生徒相手に料理を振る舞ってる。
自分のような何が何だか説明も出来ないような現象にまで試行錯誤を繰り返して挑んでくれている。
学生食堂という小さな戦いの場で。
生徒以外からは誰からも賞賛されないような場で。
レンレンは、目を逸らし困ったように頬を掻く。
オミオツケさんは、透視するようにじっとレンレンを見る。
「……学校って……怖いですよね」
レンレンは、ぽそりっと呟くように声を出す。
「えっ?」
聞こえなかった訳ではない。
しかし、オミオツケさんは思わず聞き返してしまった。
「同じ時代に生まれて、同じような時間を歩んできてるはずなのに、ちょっと人と違うところがあるだけで貶される対象になるんです。世界から見ればあんな小さな箱物なのに」
レンレンは、エガオのパネルに目をやる。
「笑わない……」
オミオツケさんは、目を小さく震わせる。
「太ってる……小さい……頭が悪い……同じ物が食べられない……たったそれだけの理由で気味悪がられ、馬鹿にされ、虐められる……とんでもなく理不尽です」
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