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オミオツケさんの脳裏にみそ汁を知らないと馬鹿にされて泣いて帰ってきた妹の姿が浮かぶ。
「笑わないことも、太ってることも、食べれないことにだってちゃんと理由があるのに、そんなことで馬鹿にされ、虐められて、自分が悪いのだとコンプレックスを感じる……そんなの馬鹿馬鹿しいと思いませんか?」
レンレンは、オミオツケさんを見る。
その目はいつもの和やかで優しい目ではなく、静かな怒りを蓄えていた。
「だから、俺は……そんな悩みを抱えてるクラスメイト達が少しでも楽しく学校生活が送れるようにしたいんです。太ってたら痩せられる、アレルギーならそれを補える、俺に出来るなり方でみんなを幸せにしたい。そう思って始めたのが……」
「レンレン定食……」
オミオツケさんは、小さく呟く。
「自分に出来ることって何だろう?そう考えた時に思いついたのが料理……それだけです」
レンレンは、小さく笑って後頭部を掻く。
いつもの和やかな笑みが戻る。
「下手の横好きですけどね」
オミオツケさんは、首を横に振る。
そして冷めた目で真剣にレンレンを見る。
あまりに強い目にレンレンは驚く。
「それじゃあ……」
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