第十三話

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 オミオツケさんは、小さく口を開く。 「それじゃあ、レンレン君が協力してくれてるのは妹のため?」  オミオツケさんの言葉にレンレンは目を大きく広げる。 「私のせいで妹が馬鹿にされるのが、虐められるかもしれないのが理不尽だから助けてくれるの?」  それは本当に嬉しいことだ。  会ったこともない大切な妹のためにこんなに親身に考えて、動いてくれるなんてこんなにありがたい話しはない。  感謝しかない。  でも……。  オミオツケさんは、唇を小さく噛んでレンレンを見る。  レンレンは、困ったように眉根を寄せる。 「そうですね。妹さんのためです」  レンレンは、小さな声で言う。  なんでだろう?  嬉しいことのはずなのになんでこんなに胸が痛くなるんだろう?  彼は、ちゃんと望んでいた言葉を言ってくれたはずなのに。  オミオツケさんは、目頭が痛く、熱くなるのを感じた。 「ありがとう……」  オミオツケさんは、小さな声で礼を言う。 「これからも妹の為によろしくね」 「そしてオミオツケさんの為です」  二人の声が一言一句ズレることなく被さる。  しかし、オミオツケさんの耳にはしっかりと聞こえた。
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