第十三話

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「……えっ?」  それなのに思わず聞き返してしまう。  レンレンは、アップルティーを口に付け、小さく笑みを浮かべる。 「俺……オミオツケさんにも美味しく、楽しくみそ汁を飲んで……幸せになって欲しいです」  オミオツケさんの冷めた目が大きく見開く。 「頑張りましょうね。オミオツケさん」  レンレンは、和やかに微笑む。 「オミオツケさんが幸せになってくたら、俺も幸せですから」  その言葉をが耳に届いた瞬間、オミオツケさんの心がギュッと熱くなった。冷めた目が大きく揺れ、頬が赤く染まる。 「それって……」  オミオツケさんは、小さく口を開く。 「それって……どう言う意味?」  オミオツケさんがじっとレンレンを見る。  レンレンも自分が口にしたことを思い返し、頬を赤く染める。  あれではまるで……。  二人は、同じように顔を俯かせる。  再び沈黙が訪れる。  そんな二人を周りの客と店員達が微笑ましそうに、焦ったそうに見ている。 「オ……オミオツケさん」  レンレンが小さな声で言う。 「な……なに?」  オミオツケさんが顔を俯かせたまま上目遣いにレンレンを見る。
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