第十三話

9/10
前へ
/174ページ
次へ
 オミオツケさんは、逃げようとするが何故かみそ汁の手を振り解くことが出来ない。  レンレンの顔が近づく。  レンレンの顔を模したみそ汁の唇とオミオツケさんの唇が触れそうになる。  オミオツケさんは、大きく目を震わせ、小さく涙を流す。  その瞬間。  レンレンの顔を模したみそ汁の顔が弾ける。  茶色い汁とワカメ、豆腐が飛び散り、オミオツケさんの顔と衣服、そしてテーブルを濡らす。  驚き、震えるオミオツケさんの目にレンレンの怒りに震える顔が飛び込んでくる。  大きく、伸ばされたレンレンの右手はみそ汁で茶色く濡れていた。  レンレンは、振りかぶった右腕の勢いに引っ張られるようにそのままテーブルの上に顔を見て突っ込み、そのままみそ汁に汚れた床の上にひっくり返る。  レンレンは、仰向けに床の上に倒れ、フレンチトーストの乗っていた大きな皿がレンレンの顔の上に落ちる。 「レンレン君!」  オミオツケさんは、悲鳴を上げて倒れ込んだレンレンに駆け寄る。  幸い、皿はプラスチックだったので割れてない。  しかし、頭を打ってる可能性がある。 「レンレン君、大丈夫⁉︎動かないで!」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加