第十四話

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第十四話

「乳製品アレルギー?」  そう呟いた瞬間、オミオツケさんはお腹の舌が冷たくなるのを感じた。 「そう」  スポーツ女子は、小さく頷き、卵焼きとハムステーキをご飯で包んだおにぎらずに齧り付く。 「結構、有名な話しだよ」  文系女子は、眼鏡の奥の目をキュッと萎める。  エガオが笑う時の映画を見た次の日の学校。午前の授業を全て終えたオミオツケさんはスポーツ女子と文系女子に呼ばれて屋上のベンチで昼食を食べていた。  一緒に食べるの自体は珍しくはないし、放課後に一緒に遊びに行くことだってある。  クラスの仲でも三人は仲の良い方だ、と自分でも思っていた。  しかし、今日の二人の昼食の誘いには緊張と恐怖を感じていた。  昼食に誘われた理由。  それはレンレンのことを聞きたいからに他ならないからだ。  あの後、レンレンはやってきた救急車に寄って病院に運ばれて行った。  運ばれて行ったというのはその後のことをオミオツケさんは知らないからだ。  コラボカフェの店長がレンレンの財布から両親の携帯番号の入った紙が出てきて、そこに連絡をしたら、すぐさま飛んできたのだ。
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