第十四話

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 母親は、すぐさまレンレンに駆け寄り、父親は店長と客、そして医師に迷惑をかけました、と頭を下げた。  そしてレンレンに付き添うオミオツケさんに二人は驚きつつも「貴方、蓮のお友達?」「心配かけたね。ごめんね」と優しく労わってくれた。  てっきり怒られ、責められると思っていたオミオツケさんは驚きながらも混乱した頭と心では満足な返答も出来ず、「ごめんなさい、ごめんなさい」と言うことしか出来なかった。  その後、レンレンは両親に付き添われて救急車に乗っていった。  どこの病院に運ばれたかはまったく分からない。  茫然自失に自宅に戻り、食事も喉を通らず、眠ることも出来ないままにレンレンのスマホに連絡し、SNSにも送り続けたがまったく反応がなかった。  そして、翌日、登校したオミオツケさんの元に彼が入院したと言う話しが舞い込んできたのだ。 「でも、驚いたよ」  文系女子が目を丸くして持参したお弁当のおかずを食べる。 「美織ちゃんとレンレン君がデートしてたなんて」 「本当だね」  スポーツ女子は、少し不機嫌そうにおにぎらずを齧る。
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