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オミオツケさんは、ぽそりっと言う。
「お礼ねえ」
スポーツ女子は、ふんっと鼻息を吐く。
「何のお礼か知らないけど……」
スポーツ女子は、八つ当たりするようにおにぎらずに齧り付く。
「私は、とんだ道化だったわけだ」
「道化なんて……私たち本当に付き合っては……」
「まあまあ、二人とも」
文系女子が間に入ってくる。
「それよりも美織ちゃん、本当に知らなかったの?レンレン君の乳製品アレルギーのこと」
文系女子の言葉にオミオツケさんは重く頷く。
「一度も……聞いたことなかった」
そもそもがみそ汁に絡んだこと以外でレンレンとちゃんと話したことなんてあっただろうか?と、いうよりもレンレンが自分のことを自分から話してくれたことなんて一度もない。
一方的に自分が話して……自分が驚いて……自分が勝手に惹かれていっただけなのだ。
「二人は何で知ってるの?」
オミオツケさんの問いにスポーツ女子と文系女子はお互いの顔を見合わせる。
「高校入学して最初の時かな?」
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