第十四話

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「最初のホームルームの時に自分からみんなの前で言ったんだよね。"自分は重度の乳製品アレルギーです。みんなに迷惑かけるかもしれないからこの場を借りて伝えます"って。あん時は私も驚いたよ」  スポーツ女子は、麦茶のペットボトルに口を付ける。 「アレルギーを告知するって凄い勇気がいるのに、あんなに堂々と言えるなんて……」 「カッコよかったよね」  文系女子もその時のことを思い出して小さく笑う。 「そのお陰で私達もクラスのみんなに言うことが出来たんだ」  二人がアレルギー持ちだと言うことは勿論知っている。  しかし、そんな経緯があって耳に届くことになっただなんて知らなかった。 「まあ、クラスが一緒になったことないからね。仕方ないよ」  文系女子は、切なそうに笑みを浮かべてオミオツケさんの肩に手を置く。 「特にレンレン君は男子だからね。違うクラスの女子にまで話しはいかないよ」 「……でも私は生徒会の……」 「生徒会はしょせん生徒会だろ?」  スポーツ女子は、少し冷めたように言う。 「アニメや漫画じゃないんだから風紀は守れても病気や体質まで面倒は見れないだろう」
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