第十四話

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「卵白で作ったの。私も小麦粉アレルギーだからさ……二人で食べれる物をと思って……」  そう言って恥ずかしそうに目を反らす。 「私は食べれないけどね」  文系女子は、目を細めて言うが嫌味ではなく、むしろ面白がって揶揄(からか)ってるという印象だ。  恥ずかしがるスポーツ女子を横目に文系女子はオミオツケさんに目を戻す。 「牛乳だけじゃなくて山羊の乳とか羊とかもダメで、お母さんの母乳でもアレルギーが出たって聞いたよ」 「母乳で⁉︎」  オミオツケさんは、声を上擦らせる。  文系女子は頷く。 「母乳ってお母さんの食べてたものが影響が出やすいからね。蓄積されたものに反応したみたい。お母さんもお医者さんに指摘されて急いで食生活を改善して粉ミルクなんかも一切与えなかったらしいけど、やっぱり栄養が足りなかったみたいで病院を行ったり来たりしてたみたい」  栄養が足りない……。  病院を行ったり来たり……。 「それを補おうとサプリとか薬が出たらしいけど、そのせいで随分と太っちゃったらしいよ。カルシウムも取れないから背も低くくて、それで小学生の頃はよくいじめられてたって笑いながら話してた」
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