第十四話

9/9
前へ
/174ページ
次へ
 オミオツケさんの脳裏に昨日、レンレンが話してた言葉が過ぎる。  学校って……怖いですよね。  太ってるとか、小さい、頭が悪い、同じ物を食べられない、それだけの理由できみ悪がられ、馬鹿にされ、虐められる……。 (これ……自分(レンレン君)のことだったんだ……)  オミオツケさんは、両手を口元に当て、息を飲む。 「あいつ……ずっと引きこもってたらしいよ」  スポーツ女子が頬を赤らめながら言う。 「学校に行くのが怖いって。食べれないのを馬鹿にされるのが嫌だって」  オミオツケさんの脳裏に部屋に閉じこもって(うずくま)って泣いている幼いレンレンの姿が浮かぶ。  それだけで胸が痛くなる。 「そんな時にね。家族でとあるレストランに行ったんだって」
/174ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加