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食堂を利用している子なら大抵知ってるのにこの子にはまるで覚えがない。
レンレンが眉を顰めていると彼女は、冷めた目をさらにきつく細めて手に持った白い紙を突き出す。
それはあまりにも見慣れた食堂の食券だった。
「注文……」
彼女は、形の良い唇を開けて苛立ちを抑えるように小さく声を出す。
「いいですか?」
そう言ってレンレンを鋭く睨む。
その声は、やはり少し冷めている。
レンレンは、呆気に取られながらも食券を受け取る。
食券にはB定食と書かれていた。
「テイクアウト出来ますか?」
「テイクアウトですか?」
レンレンは、小さく瞬きする。
部活動をしている生徒用にテイクアウトは出来るようにはなっているが……。
「今日のB定食……カツサンドとコーンスープなんですけど……テイクアウトにするとスープ付かないけどいいんですか?」
コーンスープは、食堂でも人気のメニュー。
スイートコーンと牛乳、コンソメで味つけたシンプルだが味わい深い一品……らしい。
その為に水筒を空にしてでも持って帰りたいと言う生徒が多くいる。
ちなみに小麦粉を使わないのでスポーツ女子も飲める。
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