第十六話

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第十六話

 翌週、レンレンは学校に復帰した。  アレルギー症状自体はすぐに治ったものの久々の発作だったせいか、身体に思った以上の負担がかかり、両親と医師の薦めもあって大事をとって三日間の入院と四日間の自宅療養をした。  その間、スマホには友達からの心配、お見舞いの連絡とSNSがひっきりなしだった。  レンレンは、一つ一つ丁寧に読みながら返信していった。  しかし、その中で気になることが二つあった。  一つは文系女子とスポーツ女子からのSNS。  文体こそ違うが内容は同じだった。 "美織ちゃんが元気ない" "学校来たら直ぐに声かけて上げて" "男なら責任取りなさい"  と、いったものだった。  美織ちゃんと書かれたのを見た時、それがオミオツケさんのことだと気づくのに時間が掛かった。  そうだ。彼女は美織という名前だったと思い出す。  そんな大切なことを忘れるくらいオミオツケさんと言う名前はいつの間にか自分の中で定着していた。  元気がないと言うのはきっと自分がこんなことになったことに責任を感じてるからだろう。真面目な彼女らしいな、とレンレンは思った。
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