第十六話

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 オミオツケさんのあまりの態度の冷たさに狼狽えてしまい、レンレンは何を言おうとした言葉が飛んでしまう。 「用がないならもう行くけど?」 「あっ待って……その……あの……」  レンレンは、動揺しながらも飛んだ言葉を捕まえる。 「今日の放課後、空いてますか?」 「……何故?」  何故?  その言葉にレンレンは、動揺以上の痛みを感じた。 「何故……ってほらみそ汁……実はいい方法が思いついて……これならきっとオミオツケさんも……」 「もういいの」 「……えっ?」  レンレンは、彼女の発した言葉の意味を理解することが出来なかった。 「みそ汁のことは……もういいの」  レンレンの目が大きく見開く。  本当に……本当に彼女は何を言ってるんのだ? 「別にみそ汁が飲めなくったって死ぬことはないわ。美味しいものはもっとたくさんあるもの」  それはそうだ。  この世には美味しいものが溢れてる。  命に関わるような乳製品アレルギーを持った自分にだって食べれるような美味しいものはたくさん存在する。  でも……。 「オミオツケさんは妹さんと……みそ汁を飲みたかったんじゃないんですか?」
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