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その言葉にオミオツケさんの冷めた目が一瞬揺れる。
「妹にはこの前話したわ……みそ汁のこと」
「話した?」
レンレンの言葉にオミオツケさんは頷く。
「みそ汁がどんな物なのかをちゃんと説明した。私が理由があってみそ汁が飲めないことも話したらちゃんと理解してくれた」
オミオツケさんの話しを聞いた妹は、きょとんっとした顔をしていたが、その後、泣きそうな顔をして「お姉ちゃんかわいそう」と優しく頭を撫でてくれた。
その時の妹の顔を思い出すと胸が張り裂けそうになるが、ぐっと飲み込む。
「これからはみそ汁もちゃんと家で作るようにしてその日は私は自室で食べる。そう家族で決めたの。だからもう……みそ汁を飲む必要はないのよ」
オミオツケさんは、そう言って冷たく笑った。
レンレンは、呆然と、そして失望した表情を浮かべてオミオツケさんを見た。
「今までありがとう。レンレン君」
オミオツケさんは、丁寧に頭を下げる。
「食堂頑張ってね。管理栄養士の夢も。陰ながら応援してるわ」
オミオツケさんは、ゆっくりと踵を返す。
「さようなら」
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