第十七話

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 どんな表情でみそ汁を作ってるんだろう?  どんな気持ちで自分を待ってるんだろう?  どうして……自分はあそこにいけないんだろう?  オミオツケさんの足が食堂に向こうとする。  しかし、オミオツケさんの意思がそれを止める。 (何してるの?)  オミオツケさんは、自分で自分を(たしな)める。 (自分で決めなんでしょう!)  もうレンレンとは関わらない、って。 (わかってるでしょ⁉︎)  それが彼のためなんだって……。  オミオツケさんは、自分に言い聞かせて、足を引っ込め、校門へと向かった。  もう……二度と振り返らない。  そう決めて。  自宅に戻ってもオミオツケさんは何もする気が起きなかった。  いつもならオミオツケさんの帰りを待ってる妹をぎゅっと抱きしめ、お風呂に入り、みんなで母親の作った夕食を食べ、勉強をし、ゲームをしてラノベを読み、見溜めたアニメを見ながらお菓子を食べると言う腐女子行為を楽しんでいるが、今日はそのルーティンを一つもこなさないままに自室に困り、制服のままベッドに飛び込んだ。
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