第十七話

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 どうしたのか……と思っていると? 『あんた、レンレンと一緒じゃないよね?』 「えっ?」  オミオツケさんは、思わず息を飲む。 「一緒じゃないけど……どうして?」  オミオツケさんは、心臓がバクバク鳴るのを止められなかった。 『さっき、担任の先生から電話が来たんだけど、レンレンが家に帰ってないんだって』  その言葉にオミオツケさんは血の気が引いてくのを感じた。  心臓の音が耳に響く。 『先生……クラスのみんな全員に電話してるんだけど誰も知らないって。あんなことがあったばかりだから親御さんたちもの凄く心配してて……あんた何か知らない』  オミオツケさんは、スマホを持ったまま首を横に振る。 「知らない……会ってないもの」  それは本当だ。  昼休み以降、レンレンとは顔を合わせてない。  合わせることなんて……出来るはずがない。 『そっか……』  電話越しにスポーツ女子が肩を落としているのが分かった。 『病み上がりなのにどこに行っちゃったんだろう?』 「そんなの……分からないよ……」  オミオツケさんは、自分の身体が震え出してるのを感じた。
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