第十八話

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第十八話

「こんにちは……じゃないよ……」  オミオツケさんは、その場に膝から崩れ落ちる。  レンレンは、慌てて椅子から立ち上がり、オミオツケさんに駆け寄る。  オミオツケさんは、床に座り込んだままレンレンを見上げる。 「もう……こんばんはだよ」  オミオツケさんの言葉にレンレンは驚いて食堂の窓の外を見る。 「ひょっとして……夜ですか?」 「ひょっとしなくても夜!」  オミオツケさんは、思わず怒鳴ってしまう。  オミオツケさんの怒鳴り声を始めて聞いたレンレンは目を固まらせる。  オミオツケさんは、ヨタヨタと立ち上がる。  レンレンが慌てて支えようとするがその手を払い除け、冷めた目に怒りを起こしてレンレンを睨みつける。 「こんな時間まで何してんのよ!」 「なにって……」  レンレンは、目を泳がせながら左の頬を掻く。 「みそ汁を作ってました」  レンレンは、気まずそうに言う。 「オミオツケさんがいつ来てもいいように準備を……」 「もういいって言ったよね⁉︎」  オミオツケさんは、叫ぶ。 「飲む必要ないって言ったよね!私、行かないって言ったよね!なのになんでここにいるのよ!みそ汁なんて作ってるのよ!」
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