第十八話

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「オミオツケさんに温かい物を飲んで欲しいので」  レンレンは、椅子に座って向かい合う。 「ご賞味下さい」 「でも……」  オミオツケさんは、躊躇う。 「大丈夫です」  レンレンは、優しく目を細める。 「オミオツケさんを……俺を信じて下さい。絶対に大丈夫ですから」  そう言って和やかに微笑んだ。  オミオツケさんは、大きく目を広げる。  甘い匂いが鼻腔を擽る。  みそ汁が"仲良くしよう""私を飲んで"と微笑んでいる……ように見えた。  オミオツケさんは、前を向く。  大きく息を吸い、唾を飲み込む。 「……いただきます」  オミオツケさんは、両手を合わせて頭を小さく下げる。 「どうぞ。頂いて下さい」  レンレンも小さく頭を下げる。
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