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目と身体の震えが止まる。
みそ汁の造形物たちの動きが止まる。
「落ち着いて……みそ汁じゃなくてゆっくりと俺に意識を向けて下さい」
レンレンの言う通りにオミオツケさんは、ゆっくりと息を吸、吐き、そしてレンレンに目を向ける。
レンレンの優しく、和やかな笑顔がオミオツケさんの目に入る。
みそ汁の造形物たちがオミオツケさんとレンレンの真上を円を描くように列を成して飛ぶ。
「オミオツケさんに呼び出された時……俺とても怖かったんです」
レンレンは、唐突に話し出す。
「こわ……かった?」
オミオツケさんは、驚いて目を見開く。
みそ汁の造形物たちが小さく泡立つ。
「はいっ」
レンレンは、頷いて苦笑する。
「だってファーストコンタクトの印象最悪だったじゃないですか。オミオツケさんクールで知的の名前に恥じないくらいに冷たいし、オミオツケさんって呼んだ瞬間に静かに怒るし……」
オミオツケさんも初めてレンレンと出会って話した時のことを思い出しだして頬を赤らめる。
みそ汁の造形物たちの円の列が取り乱すようにジグザグに揺れ出す。
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