第十九話

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「ナンパしてると思ったのに……?」 「……うん」  オミオツケさんは、恥ずかしそうに頷き、目を反らす。 「レンレン君なら……大丈夫ってなんでか思えたの」  レンレンは、顔中を真っ赤に染める。  花とキノコが嬉しそうにその身体を上下に揺らし、魚が思い切り飛び跳ねる。 「正直……俺なんかに何が出来るのかなって思ったんですけどオミオツケさんのあまりに真剣な言葉と想いに俺に出来ることをしよう、そう想いました」 「いっぱい協力してくれたね。私なんかじゃ思いつかない視点からばんばんアイデア出してくれて……驚いたし、嬉しかったし……カッコよかった」  最後の言葉を恥ずかしそうに言う。  そして分かった。  その時からもう自分はレンレンのことが好きだったのだと。 そしてそれは……。 「俺も一緒です」  レンレンの言葉にオミオツケさんは、顔を上げる。  レンレンの目がじっとオミオツケさんを見る。 「いつからかはうまく言えないけど……オミオツケさんのことを可愛いって思うようになってました。可愛い、一緒にいたいって。だから一緒に映画に行けるってなった時は嬉しすぎて夜も眠れませんでした」
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