最終話

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 みそ汁を飲む方法を確立し、お互いの気持ちを結んで以降、オミオツケさんは毎日、レンレンが食堂の手伝いを終えた頃に現れて、みそ汁を催促するようになった。  最初は、驚いていたおばちゃん達だがレンレンとオミオツケさんの関係を察するや二人のためにみそ汁一杯分を毎回確保してくれるようになり、「ほら彼女と飲んできな」とコーヒーでも奢るように言ってレンレンを送り出す。  クールで知的で有名な生徒会副会長とレンレン定食の主が交際し、昼休みの終わりに食堂でウェディングケーキをカットするようにみそ汁を飲んでいると言う噂は瞬く間に学校中の噂になり、毎日のように見物客が現れて羨望と嫉妬の混じった目で二人を見ていたが、気にしているのはレンレンだけでオミオツケさんはまるで気にした様子もない。  スポーツ女子と文系女子も最初は"恥ずかしいからやめな"とオミオツケさんを諌めていたが、最近では諦めて傍観者となってこちらを見守っているだけだ。 「あの……オミオツケさん……」  レンレンは、固い声でオミオツケさんに声を掛ける。 「なあに?レンレン君」  オミオツケさんは、レンレンに声をかけられて嬉しそうに微笑む。
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