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第二話
「ちょっといい?」
最後の授業を終えて帰ろうと下駄箱に向かったレンレンを彼女の冷めた目が待ち構えていた。
そのあまりの予想外な出来事にレンレンの心臓は飛び出るかと言うほど跳ね上がる。
「どうしたの?」
彼女は、怪訝な表情を浮かべて訊く。
「いや、どうしたのって……」
逆にこっちが聞きたいことを先に聞かれてしまい、レンレンは戸惑う。
「いいから付いてきて」
そう言うと彼女はレンレンに背中を向けて歩き出す。
レンレンは、狼狽えながらも急いで靴を履き替えて彼女の後をついていく。
小柄な美少女に大男が付いていく様は嫌でも目に付き、部活や下校している生徒達の視線が一斉に集まってくる。
特に追いかけてるのはあの有名なオミオツケさん。
嫌でも注目を集める。
「あの……えっ〜と」
レンレンは、どこに行こうとするのか?何をしにいくのか?と聞きたいがどう声を掛けたらいいか分からなかった。
まず、なんて呼んだらいいか分からない。
オミオツケさんは絶対にダメ。
美織さんはあまりに馴れ馴れしい。
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