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彼女は、鞄を膝の上に乗っけると中から300mlの小さなペットボトルを二つ取り出す。
「飲まない?……って意味だったんだ」
そう言った彼女は少し恥ずかしそうだった。
「座って」
彼女に促されてレンレンは座る。
「何が好きだか分からなかったから」
そう言って彼女は、レンレンの前に二つのペットボトルを置く。
一つは普通の冷たい緑茶。
もう一つはミルク入りのコーヒー。
レンレンは、じっとミルク入りのコーヒーを見る。
「コーヒーがいいの?」
そう言って彼女は、コーヒーをレンレンに渡そうとする。
「いえっこっちで」
そう言って緑茶の方を取る。
彼女は、眉を顰める。
「いいの?」
「はいっ大丈夫です」
レンレンは、頷くとブレザーの裏ポケットから財布を取り出す。
「お幾らですか?」
「いらないわよ」
彼女は、唇を尖らす。
「私が呼び出したんだから」
そう言って彼女は、コーヒーの蓋を開ける。
「温くなる前に飲んで」
そう言って彼女はコーヒーに付ける。
顎を突き上げるようにクイっと上げて、小さく喉を鳴らしながら飲む。
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