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「悪評なんて呼ばれてるけど、あだ名をつけた子も悪気なんてなかったのよ。それに私の名前が後ろから読むと"オミオツケ"になるなんて十七年間この名前に付き合ってってきた私ですら気づかなかったのに大したものだと思わない?」
その時のことを思い出してか、彼女は、天井に視線を上げながら感心するように頷く。
そうだとすると何故、悪評なんかに繋がってしまったのだろう?
レンレンの中に当然とも言える疑問が湧く。
レンレンが疑問を抱いてることに表情で気付いたのだろう、彼女は、苦笑を浮かべる。
「私が過剰に反応しすぎたのよ」
「過剰?」
レンレンは、眉を顰める。
「お味噌汁って言葉にびっくりして立ち上がった時に椅子を倒して、その勢いで机の上にあったものを全て落としちゃったの。きっとそれが怒って机の上にあったものを叩き落としたように見えちゃったのね」
レンレンは、その場面を想像する。
普段、クールで知的なイメージの彼女が椅子を倒し、机のある物を全て落としたら確かに烈火の如く怒ってるように見えなくもない。
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