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「私にあだ名をつけた子……半べそかいて私に謝ってきたわ。すぐに大丈夫、気にしてないって言ったんだけどいつの間にか広まっちゃって……本当に悪いことしたわ」
そう言って形の良い眉を落とす。
「その子とは?」
「仲良くやってるわよ。あの時のことを今だに気にしてるみたいだけど今じゃ単なる笑い話よ」
彼女は、冷めた目を細めて笑う。
その表情を見てレンレンもホッとすると同時にそんな顔も出来るのだ、と驚く。
「聞いてもいいですか?」
「なに?」
「過剰に……というのは何に反応してしまったんですか?」
オミオツケと呼ばれるのが嫌でないのなら一体何に反応してしまったと言うのだろう?
レンレンがそう聞いた途端、彼女の顔から笑みが消える。
「……みそ汁……」
彼女は、ぼそっと呟く。
「えっ?」
レンレンは、うまく聞き取ることが出来ずに聞き返す。
彼女は、何かを堪えるように唇を固く紡ぎ、そして弾けるように叫ぶ。
「みそ汁!」
クールな彼女からは想像も出来なかった大きな声にレンレンは目を丸くする。
彼女もそれに気づき、顔を真っ赤に染めてテーブルを舐めようとするように顔を下げる。
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