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みそ汁!と叫んだ彼女を見てレンレンは女子二人の言ってた言葉を思い出す。
あの子……この世で一番みそ汁が嫌いなの。
つまりオミオツケのもう一つの名、みそ汁に反応したのだ。
「それでか……」
レンレンは、納得して思わず声に出してしまう。
彼女は、視線を上げて、冷めた目で睨む。
「何がそれでか……なの?」
彼女から発せられた冷たい棘のある言葉にレンレンはたじろぐ。
「言っとくけど……私……みそ汁嫌いじゃないわよ」
「えっ?」
彼女は、ふうっと息を吐いて気持ちを落ち着けると居住いを正し、クールな表情でレンレンを見る。
「貴方……この食堂で事情があって食べれない生徒達にメニューを作ってるのよね」
レンレン定食。
アレルギーや持病、薬の飲み合わせ等で食べ物を制限されている生徒達の為の望みを叶える為の特別メニュー。
それを話題に出すと言うことは……。
「お願い……」
彼女の表情は変わらずにクール。
しかし、その言葉の中には切実な情が込められていた。
「私にみそ汁を飲ませて」
そうか……そう言うことだったのか。
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