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そう言って器をテーブルに戻し、ポケットからハンカチを取り出し、人差し指を拭く。
「貴方って……結構大胆ね」
オミオツケさんは、目を丸くしたまま言う。
「でも、そこからは離れて。お小遣い制で流石にクリーニング代までは出せないから」
クリーニング代?
何のこと?っとレンレンは聞きたかったがどうせ要領は得ないだろうと思い、素直にテーブルから離れた。
レンレンが離れたのを確認してからオミオツケさんはテーブルに近寄る。
オミオツケさんは、テーブルの真ん中に置かれた冷めたみそ汁を見る。
緊張と、若干の恐れの混じった冷めた目で。
「レンレン君」
オミオツケさんは、みそ汁に目を向けたまま言う。
「これから起きること……誰にも言わないでね」
これから起きること?
レンレンは、眉を深く顰める。
オミオツケさんは、大きく唾を飲み込み、蛇の巣穴に指を突っ込むように、そーっとみそ汁の器に指先を触れさした。
その時だ。
みそ汁の表面が小さく揺れる。
地震⁉︎
レンレンは、目を瞠る。
しかし、テーブルはおろか食堂の中は少しも揺れていない。
しかし、異変は続く。
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