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第三話
オミオツケさんとみそ汁との因果の起こりは初めての離乳食の時だった。
父は小学校の教諭、母は幼稚園の教諭という児童教育のエキスパートの間に生まれたオミオツケさんだがその子育てはとても緩やかなものであった。
激しく叱ったりすることはなく、泣けば優しく抱きしめて、肌荒れしないよう天然素材の服を着せ、オムツとお風呂は夫婦で交代しながら行い、ミルクも母乳には拘っていたが辛い時は市販のミルクで父親が上げるなど両親にもオミオツケさんにも負担にならない子育てに力を入れていた。
教育現場に身を置いてる両親だからこそ様々な家庭を見て、自分達とオミオツケさんに合うスタンスを選んだとも言える。
そんな緩やか家族だが離乳食には力を入れていた。
ミルクは身体から出るものなので父親があげる際には市販でも仕方ないにしても離乳食はやり方一つで子どもの今後の味覚や食生活に関わることが大きい。
幼稚園の教諭である母親はそれを意識し、今日という日の為に離乳食メニューを勉強、考案していた。
そうは言っても最初の一口。
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