第三話

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 レンレンは、みそ汁とワカメで汚れた雑巾を綺麗に洗って干し、ついでに湯呑みにティーパックのお茶を淹れてからテーブルに戻る。 「それで……」  オミオツケさんの前に湯呑みを置いてレンレンも向いの席に座る。 「どうだったんですか?」  あんな不可思議な現象、何もないわけがない。  それこそ末代まで続く死に至る呪いや神の与えた奇跡と言われても実際に目撃した人間としては疑う余地もない。が、実際にそう言われた場合、自分はどう反応すればいいのか?どう彼女に声を掛ければいいのか?まるで検討がつかなかった。  しかし、彼女から飛び出したのはまるで予想に反した言葉だった。 「なにも……」 「えっ?」 「なにもないって」  空いた口が塞がらないというのはこういうことを言うのか?  そう思うくらいレンレンは、ぽっかりと大きな口を開いて唖然とする。 「なにも……ない?」  そんなわけ……と言いかけた言葉を飲み込む。  勝手なことを言わず、彼女の言葉を待った方がいいと判断する。 「正確には見てもらっても何にも言われなかったらしいわ」
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