第三話

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 そう言ってオミオツケさんは苦笑する。 「それで……どうしたんですか?」 「調べたらしいわよ。父と母らしい現実的な調査で」 「現実的な調査?」  レンレンは、首を傾げる。 「不可思議な現象が起きた場面を再現して一つ一つ検証していったの。器が悪いのか?気温が良くないのか?それとも食べ物か?そして検証した結果、原因はみそ汁であることが分かった」  オミオツケさんの前にみそ汁を持っていくたびに様々な反応を繰り返したと言う。  鳥になって飛び立つ。  無数のてんとう虫になってテーブルを這う。  猫になって窓から逃げようとしてガラスにぶつかって弾ける。  様々な目を疑うような現象が起き、父と母はその度に心臓が破裂しそうなくらいに驚きながらも検証を続けた。  結果として分かったのは……。 「この現象はみそ汁でしか起きないということよ」  白いご飯を持っていっても反応しない。  コーンスープや他の汁物系を持っていっても反応しない。  味噌を使った料理、鯖の味噌煮やもつ煮込み、味噌ラーメンを持って行っても反応しない。  この現象はみそ汁でしか起きないのだ。
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