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レンレンは、そんな二人を見つめながら最後の行程に取り掛かる。
クッキングペーパーを敷いたフライパンの上に広がった濃い黄色のクレープのような薄く滑らかな生地、その真ん中に嬉しいくらいに鮮やかなケチャップライスを落とし、手早く舟の形に整え、黄色い皮で包み込んでいく。
その手際たるやプロの調理師顔負けの速さで、隣で違う料理を作っていた調理師のおばちゃんが「相変わらず上手いねえ」と楽しそうに笑う。
レンレンは横に置いた白い皿をフライパンの上に蓋のように被せるとそのまま持ち上げてひっくり返す。
フライパンの縁と白い皿がカチャンっと小気味良く音を立てる。
フライパンを離す。
綺麗な形のオムライスが華やぐように登場する。
レンレンは、会心の出来に口をにんまりと釣り上げる。
フライパンをコンロに戻し、そっと皿を置いてその上にケチャップでニコっと笑った顔を描く。
「完成!」
さあ、彼女を笑顔にしてみせよう。
レンレンは、揚々と出来上がったオムライスを見て微笑んだ。
レンレンは、銀色の大きなトレイに料理を乗せて同級生二人の元に行く。
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