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レンレンは、種類によってこんなにもみそ汁の香りが違うのだと驚きながらも冷めたかどうかを丁寧に確認していく。
そして全てのみそ汁が冷めたことを確認するとオミオツケさんを呼んだ。
「ハーブティーありがとう」
こちらに寄ってきたオミオツケさんが恥ずかしそうに冷めた目を反らし言う。
「良い香りだし、美味しかった」
「喜んでもらえて何よりです」
レンレンは、和やかな笑みを浮かべて言う。
「オーガニックの茶葉をブレンドして作ったんです。アレルギーの人でも飲めるように」
その言葉にオミオツケさんは冷めた目を丸める。
「作ったの?」
「混ぜたしただけです。結構、面白いですよ」
そう言って何事でもないように笑う。
オミオツケさんは、レンレンの見かけからは考えられないきめ細かい女子力の高さに驚きを隠せなかった。
「それよりもこれを着て下さい」
そう言ってレンレンは厚手のビニールのレインコートを渡す。
「制服が汚れないように」
レンレンは、和かに微笑み、明らかにLLサイズのレンコートを自らも羽織る。
オミオツケさんは、丁寧に畳まれたレインコートをじっと見る。
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