7人が本棚に入れています
本棚に追加
/174ページ
「どうしました?」
「いや……なんて言うか……」
オミオツケさんは、小さく左の頬を掻く。
「レンレン君のお嫁さんになる人はきっと幸せなんだろうなぁと思って……」
オミオツケさんは、何気なく言う。
しかし、レンレンはその言葉にズキンッと心臓を叩かれて頬を真っ赤に染める。
「あっう……あっとじゃあやりましょうか……」
レンレンは、ドギマギした心を押さえながら言う。
オミオツケさんは、頷いてレインコートを着ると緊張した面持ちでみそ汁と向かい合う。
結果として全てのみそ汁に反応があった。
アサリのみそ汁は、汁がマリーゴールドのような大輪の形になり、アサリが2枚の殻を羽にして蝶々のようにその周りを飛んだ。
ナメコのみそ汁は、汁もナメコも回転しながら大きなきのこの形となり、テーブルの上をジャンプしながら弾け散った。
油揚げは、汁が犬の形になり、油揚げが耳や鼻、尻尾になり、レンレンとオミオツケさんに楽しそうに愛想振り撒きながら駆けずり回り、飛び散った。
最初のコメントを投稿しよう!