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豆腐は、汁の中から飛び出して、磁石のようにくっつき、ブロックのように重なって壁のようになったかと思うと汁の固まりがその上から落ちて、全てを崩した。
最後に根菜は、汁が背の低い少女の姿に変貌し、銀杏切りされた大根とにんじんが汁の身体に張り付いて鎧となり、牛蒡が重なって大きな鉈の形となる。
みそ汁の少女は、リズミカルに大鉈を振り回しながら縦横無尽に飛び跳ね、自らが飛び出した器に牛蒡の大鉈を叩きつけ。そのまま弾けて、飛び散った。
レンレンは、あまりに現実離れし過ぎた光景に目を大きく開いたままポカンっと口を開ける。
オミオツケさんも結果は分かっていたものの、あまりにも露骨で非現実的な現象に身体と心が重くなる。
こんなの解決できっこないと改めて思い知らされた気がした。
オミオツケさんは、恐る恐る隣に立つレンレンを見る。
レンレンは、呆然とみそ汁まみれになったテーブルを見ていた。
オミオツケさんは、申し訳なさすぎて謝ろうとする。
「ごめんねレンレ……」
「なるほど」
レンレンの発した言葉にオミオツケさんは目を丸くして驚く。
ひょっとして……。
「何か……分かったの?」
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