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オミオツケさんのクールで知的な顔が苺のような真っ赤になり、冷めた目に溜まった涙が今にもこぼれ落ちそうになっている。
その表情はまるで目の前で全裸を見られたように羞恥に歪んでいた。
「オミオツケさん……?」
レンレンは、恐る恐る声をかける。
「もう……」
オミオツケさんは、ぽそっと言葉を出す。
「もう……お嫁にいけない」
「いや……そんな大袈裟な……」
レンレンが少し引き気味に言うとオミオツケさんは、赤くなった冷めた目でキッと睨まれる。
「……どう言うことかちゃんと説明して」
「……はっはいっ」
レンレンは、怯えた子犬のように何度も首を縦に振ってみそ汁の散らばったテーブルを見る。
「俺は、心理学者とかじゃないんで上手くは言えないんですが恐らくこの現象にはオミオツケさんの深層心理が大きく直結してると思います」
「深層心理?」
オミオツケさんは、首を傾げる。
「無意識下ってやつですね。どんな原理なのかはまるで分かりませんけど、この現象にはオミオツケさんの心が深く影響してるんです。だから深層心理の奥に眠っているオミオツケさんの好きなもの形に変化する」
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