7人が本棚に入れています
本棚に追加
レンレンの説明にオミオツケさんは、赤くなった目を丸くするも、すぐに疑わしく細まる。
「でも、赤ちゃんの頃から起きてるのよ?赤ちゃんの頃はゲームもしてなければラノベも読んでないわ」
オミオツケさんの当然とも言える質問、しかしレンレンは笑顔で答える。
「恐らくですけど、きっと赤ちゃんだったオミオツケさんが見て嬉しかったものが形になったんじゃないですかね?花火とか、猫とか」
あっ……。
オミオツケさんは、思わず声を上げる。
確かに昔のアルバムを見た時、父と母と近所の花火大会に連れて行ってもらった写真や母の実家の白猫と遊んだ写真があったことを思い出す。
「それじゃあ……」
オミオツケさんは、身体を震わせ、両手で口元を覆う。
「私の心次第でこの現象は静まる……ってこと?」
「んっ……それは何とも言えないですけど……」
レンレンは、困ったように髪を掻く。
「少し……ほんの少しですが解決の糸口になるかもですね」
レンレンの言葉にオミオツケさんは息を呑む。
ずっと先の見えなかった暗い砂利道を素足で歩いているよう心境だった。
いくら歩いてもゴールなんて見えやしない苦行。
最初のコメントを投稿しよう!