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第五話
あれから三日が過ぎた。
あの後、すぐに17時を伝える予鈴がなって二人は慌てて食堂を閉め、校舎を後にした。
少しがっかりしたものの先に進むことが出来た喜びの余韻に浸りながら二人は次に会う予定を立て、お互いの予備校や部活、生徒会活動を鑑みて三日後に予定を立てた。
オミオツケさんは、最後の授業を終えると急いで教科書を片付けた。
スポーツ系女子と文系女子に生徒会がないならカフェしようと誘われるも丁重に断って駆け足で出ていった。
しかも嬉しそうに。
そんなオミオツケさんを見たことがなかった二人は疑わしく目を細めてその背中を見ていた。
食堂に着くと既にレンレンは来ていて、厨房で作業をしていた。
食堂の中はほんのりと暖かく、甘くて濃厚な食欲を唆る香りが漂っていた。
この匂いを嗅いだ瞬間、オミオツケさんの脳裏には脊髄反射のようにあの料理の絵が浮かぶ。
人生で最も因縁深く、それなのに一度も口に入れたことのない料理……。
「みそ汁……」
オミオツケさんが呟く。
その声を聞いてレンレンは振り返り、和やかな笑みを浮かべる。
「こんにちは。オミオツケさん」
「こんにちは。レンレン君」
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